●これでいいのだろうか?
畳の需要は、いまのような状態が続いているかぎりは、まず増える見込みはないといえます。というのは
、新調工事が住宅建設に左右されていて、かつてのように〈新畳ラッシュ〉による〈増産ブーム〉となる可
能性が少ないからです。また、補修工事の伸び悩みは、かなり以前からのものであり、一時的な不況型の動
きではないからです。
いいかえれば、どんどん先細りの形に進んでいるといえます。斜陽化という言葉がありますが、需要の伸
び悩み、あるいは減少傾向は、商店として、企業として、斜陽化を意味しています。このままの状態でいい
はずがありません。
また、こうした市場環境のなかで、多くの畳店が営業不足状態にあると方向づけています。
新築工事需要は住宅建設に左右されるという一面がありますが、表替え・裏返しの伸び悩みはなんといって
も畳店の営業不足に大きな原因があります。このままでは、畳店経営は先細りします。
●発展性はある?
第一に、成長を遂げていくということが考えられなくなってきます。
第ニに、将来性がなければ、若い人はどんどん逃げていくでしょう。
後継者や若い人材がいなくなってくると、業界そのものに活力がなくなり、新しい発想や創意工夫が乏しくなってしまい、多くの伝統産業がたどったのと同じ運命が待っているといえます。
最近40年の商業・技術革命のなかで、畳業界が他の伝統産業と違った形でひとまず成長・発展を遂げ
て来られたのは、<新築ラッシュ>とその要因となった住宅不足やマイホーム熱の高まりであり、それに対
して機械化をはかり、増え続ける需要に応えるという形で対処してきたからにほかなりません。
いま、住宅事情が好転しつつあるなかで、畳の多目的性という用途の広さは、必ずしも畳の需要を支える
要素にはなっていません。むしろ、住宅に必要な<和風空間>の一つとしてとらえられている面さえありま
す。
そうしたなかで、単に<需要に応える>といった考え方では、先細り・斜陽という答えしか出て来ないで
しょう。これからは、需要をつくる時代です。かつての時代に、縫着機を導入して機械化をすすめること
によって成長・発展を果たしてきたのと同じように、こんどは売り込みの拠点である店舗をうまく活用して
地域に密着した畳店として、新しい発展期への商業をおこなうべきだといえます。
●雇用態勢は?
これからの時代は、需要をつくり出すことに努力をしていかなければなりませんが、そのためには人材
が必要です。これまでは人手不足、機械化という形で乗り切ってきました。これから
は店舗を売り込みの拠点、需要をつくり出す場所として重視していかなければなりません。
店舗を支えるのは人材、需要をつくり出していくのも結局は人材といえます。その人材を求めるには、や
はり将来性があるのかどうか、仕事のやりがいのある場所かどうかが大きな問題になってきます。
店舗は営業の拠点。若い人お客さん、職人が集まりやすい店舗には自然と活気が出てきます。若い人の仕事へのヤル気が
、店を盛り上げ、顧客の集まりやすい場にもなるのです。
●体質改善?
店を経営していると、誰でも少しでも売り上げを増やしたい、人気のある店にしたい、などと考えるのは当然のことです。
問題は、それをどうやって実現させていくかということです。
そこで、いろんなことを考えます。他店より安くすることによって売り上げを増やそうとしたり、宣伝をすすめてみたり、あれこれ手を打っていきますが、いっこうに思うようには物事は運びません。
これは、極めて当然のことです。いろいろとやってはみても、店そのものが少しも変わらないからです。宣伝を行い、売り込みをすすめているつもりでも体質そのものがそれ以前の姿だと成果をあげる方が無理なのです。
たとえば、注文が入ってくるのを店で待っているとか、チラシを配布しているのに店頭をのぞくとそんな雰囲気ではないとか、<需要を生み出す>時代になっているのに<需要に応える>時代のままであるとか、
あるいは店舗を売り込みの拠点にしなければならないのに単なる作業場程度のものになっているとか、成果が上がらない理由がいくつもあります。
この売り込みについては、訪問セールスをやってみればよいといった話をよく聞きますが、そういった形式的なものよりもやはり積極的に消費者に働きかけていくものでなければならないでしょうし、
なによりも店舗が絶好の売り込みの場所なのだと考えた方が良いでしょう。そして、そのためには、店舗のあり方を見直していくことが必要です。
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