畳・い草 勉強会レポート        戻る  
日時 2003年3月17日(月) 16:00〜21:00 場所 大矢畳店(神奈川県海老名市)
内容

 今回の畳・い草勉強会は、3月半ばとは思えない寒い日となりましたが、熊本の八代から岡氏を迎え、ゲストも含め13名が集まり盛大に行われました。
  会場となりました、大矢畳店(畳LIFE STYLE会長)の作業場は、大矢氏が畳の端材等により創作した様々な作品の展示場にもなっており、入り口のガラス越しにあるワニは、前を通る子どもたちを驚かせていました。(下の写真参照:大矢氏の創作品「ワニ」と「カマキリ」)
 ゲスト参加していただいた、写真家の成田氏(千葉市在住)は、蝋燭などの“灯り”に興味を持ち、取材を続けているうち、灯芯に“イグサ”が使われていることを知り、イグサに関する様々な資料を入手し、また、自然美の中のイグサの写真を撮影したいといきこんでいる方です。


 

出席者 計13名(敬称略)
畳LIFEメンバー:

大矢夫妻(大矢畳店)
岡(ファミリーファームOKA)
熊木(熊木畳店)
清田(清田畳店)
林(楓林環境情報サービス)
藤来(藤来畳店)
水上(水上畳店)

ゲスト:
荒井将佳(荒井啓佐司商店)
加藤明(加藤畳店)
坂元明(資源リサイクル推進協議会)
徳田實男(山和樹脂加工所)
成田徹夫(写真家)

  今回は、灯心に使われるイグサをはじめ、灯心草としてのイグサの栽培地に関わる証文、イグサの筆、和蝋燭、火打ち石、そして、6つの羽を俵の形にし、無病息災などの縁起物的な要素もある、様々な地方の風車を持参し、私たちに披露してくれました。
さらに、岡山県の船穂町に伝わる「船穂ゴザ織唄」に関する資料と音楽CDまで飛び出しました。

● 地域特有の形がある風車(写真)
● 各地方の風車を説明する成田氏

● 船穂ゴザ織唄(哀歌)

     朝の早からねぇさん ゴザ織りすれど(ハイハイ)
     ゴザ織りすれど 金の一つもたまりゃせぬ
      (ハ ドッコイ ドッコイショ) ※はやしは以下同じ
      子ども可愛やねぇさん 麦飯ばかり
       麦飯ばかり 米のおまんま食わせたい
      絹の着物がねぇさん 買いたいけれど
       買いたいけれど いつも着物はぼろばかり
     何の因果でねぇさん ゴザ織り習うた
       ゴザ織り習うた 私しゃほんとに泣けそうじゃ
      七つ八つからねぇさん ゴザ織り習うた
       ゴザ織り習うた 家のためなら仕方ない
 

 CDのゴザ織唄を聞きながら、八代の地元では干拓時の唄が残っていると、次の話題提供者の岡氏が中継ぎ表のタペストリーを披露し、無染土表を広めていきたいと語り始める。
 最近のリフォームブームは、畳から板張りのフローリングに拍車をかけている。これでは、裕福な人のみが畳を利用していた昔の時代に戻ってしまうのではないか。また、最近は縁無の畳がブームになっているようである。
 しかし、昔ながら縁を付け、表替えができるクッション性のある畳を創作している畳店もある。
 畳の持つ“色”や“香”が身体にリラックスを与え、「草原で寝ているようなイメージを誘う畳」が一番良いのではないでしょうか?
 また、畳だけではなく、中継ぎ表のタペストリーなど、い草そのものの良さを活かし、飾ってもらえるような人を増やしていきたい。
 八代でもい草農家は年々減少している。い草に限らず農家の後継者がいないところが増えている。
 農家は話し相手、仲間がいなければできないもの。い草農家ではなくても、農家として減らずにこのまま残していきたいと考えている。
 以上のような、岡氏からの八代のい草農家としての熱い思いを語ってくれました。

● 持参したタペストリーを持って語る岡氏

● 柔軟材の話を聞く荒井氏とそれを試す熊木氏

次に参加していただいた方から、畳・い草に関して自由に意見交換を行いました。

  • 中継ぎ表のタペストリーをもう少し、い草の間隔をあけ、簾のようにしてみてはどうか?(徳田)
  • い草は内側のスポンジ状のところに価値があり、Nox除去フィルターなどの利用も考えてみたい。(徳田)
  • 畜産農家が古ゴザをもらいにくる。牛などの飼料として、また、飼育小屋の消臭としてい草が利用できないかを畜産農家などで試してもらいたい。(清田)
  • い草の香り成分を抽出して利用を図ってはどうか?(徳田)
  • い草は、産地で先の部分が切り取られ、問屋でさらに選別され、畳屋で端材が生じ、さらに古ゴザとして処分される。捨てられる部分非常に多いものであり、その分、再利用・再資源のサイクルを考えての活用が望まれる。(荒井)
  • 畳表などに耐火液を染込ませ、燃えにくい畳を考えている。(坂元)
  • い草を使って街おこしなどもいいが、マイナーなものではなく、い草や畳をメジャーなものにしていきたい。(清田)
  • い草の飴や青汁など、食品加工したものも広めていきたい。(荒井)
  • オランダの屋根が開閉式ビニールハウスを取り入れ、い草の水耕栽培などもやってみたい。(岡)

時間が経つにつれ冷え込みが厳しく、作業場にストーブを炊いて行われましたが、畳・い草に関する様々な意見交換・情報収集が得られ有意義な勉強会になったのではないかと思います。
 意見交換後は、岡氏からお土産として郷土名物の“馬刺し”と自家製の“カラシレンコン”などを食しながら自由に懇談しあい、最後は一本締めで締めくくりました。参加された皆さん、遅くまでお疲れ様でした。

● 貴重な和蝋燭の灯りを体験

● 一本締めで解散となりました
戻る       2003年3月31日 畳LIFE STYLE事務局(林)